CROSS TALK
社長&若手社員 SDGs座談会

※2021年12月1日に開催された当時のものです。

SDGsは、2015年の国連サミットで加盟国の全会一致で採択された人類共通の国際目標です。
その実現に向けて、リコーテクノロジーズはどんな活動を展開しているのか、働く社員たちはSDGsをどのように捉えているのか。3名の社員に石橋社長を囲んで話し合ってもらいました。
石橋 幹生
代表取締役 社長執行役員
※2021年12月1日に開催された当時のものです。
森永 拓哉
プロダクト事業本部 第一ソフトウエア開発室
理工学研究科(知能情報コース)修了
2010年入社
MFP(複合機)のオプションである原稿処理機や後処理機のソフト設計に従事。メカ/エレキと一緒に機能を検討するところから始まり、要求分析、設計、実装、テストまですべてを担当している。
浅野 翔
プロダクト事業本部 N-PT
工学部機械工学科卒業
2018年入社
MFP(複合機)のオプションである後処理機(フィニッシャー)のメカ設計を担当。各部品の加工性・組立性はもちろん、製品の見た目や操作性、安全性等、日々、関連部署と協力して開発を手掛けている。現在は、実現すれば世界初となる製品の開発に取り組んでいる。
野口 綾香
経営本部 経営戦略室 人事総務G
2020年入社
人事考課、制度導入、ダイバーシティ推進などを担当。関連区と連携しながら、社員一人ひとりがイキイキと働ける環境づくりを目指して日々の業務に取り組んでいる。
SDGsは“環境”のイメージ?

石橋

みなさんはSDGsと聞いてどのようなイメージがありますか?

森永

真っ先に思い浮かぶのは、省エネやCO₂削減といった環境保護のイメージですね。

野口

私も同じです。特に私は生活に身近なプラスチック問題に目が向きます。

浅野

将来にわたって、人々が豊かに暮らすために行うべき取り組みや目標をパターン別にまとめたものがSDGsだと思っています。「地球環境にとって良い取り組み」や「全世界中の人々が、偏りなく幸せになるための取り組み」というイメージです。

石橋

なるほど。では、生活のなかでSDGsを意識している行動ってありますか?

森永

最近ではリモートワークの定着や、マイバッグを使う、といった生活スタイルの変化がありました。あとは、コーヒーを購入するときにフェアトレード商品を選択するとかですね。

野口

私はサーフィンが趣味なので、大好きな湘南の海を守るためにワンハンドビーチクリーンを実践しています。30分早く海から上がり、廃棄され流れ着いたプラスチックごみを回収していて、自分でできる範囲の活動として続けています。

浅野

それはすごいなあ。私は物を大切にして長く使うとか、エコバックを持参してビニールごみを出さないよう気をつけているくらいです。SDGsを学んでも、それを生活の行動に結びつけるのは意外に難しいと感じています。

野口

リコーグループは「リコーグローバルSDGsアクション2021」を打ち出し、当社でも今年の6月にSDGsの勉強会が開かれました。7月からはグループディスカッションなどを通して自分の業務とSDGsを紐づけて考える機会を設け、社員から生まれたアイディアを登録・閲覧できるサイトも開設されました。これは会社としてどのような目的で行われたのでしょうか?

石橋

私が入社した当時、SDGsという言葉が生まれる前からリコーグループは環境経営を進めていました。昨今SDGsへの社会的関心が高まり、取り組む企業の姿勢というものが注目されるようになっています。私たちリコーテクノロジーズはテクノロジーを使って「お客様の困りごと」を解決することがミッション。これまではオフィス機器を中心に提供してきましたが、これからはSDGsに代表される「社会の困りごと」を解決していくという姿勢をしっかり打ち出していくことが大切になってきたわけです。そこで、まずは社員全員がSDGsを理解し、それを自身の仕事の中でどう実践していくかを考えてもらえる場を共有したいと思い、勉強会やサイト開設などを実施しました。
自分の仕事をSDGsと紐づけて考えよう。

森永

確かに勉強会に参加してから、自分の仕事とSDGsを結びつけて考える機会が増えましたね。マテリアルリサイクルや再生樹脂開発に関わる部署はSDGsとの繋がりが明確ですが、設計と環境保全って直接は結びつかないでしょう。しかし、生産効率を高めることもSDGsの取組みに繋がるかもしれない。例えばシミュレータを利用して、なるべく試作機を作らずにクオリティを高めていけば、資源を無駄にせず開発効率を高めていける。これは以前から進めていることですが、SDGsを意識することでより一層真剣に取り組むようになりました。

浅野

SDGsは、環境保全だけが目指すゴールではありません。「質の高い教育をみんなに」や「働きがいも経済成長も」、「つくる責任つかう責任」などの目標も設定されています。私は、フィニッシャーの設計をしていますが、最近は設計しながら、自分の製品が生み出すソリューションがお客様の働き方や働きがいにどう繋がるかを考えるようになりました。

野口

人事総務は、社員一人ひとりが生き生きと働ける環境づくりを実現することがミッションですから「働きがいも経済成長も」が仕事のテーマにも共通します。SDGsと自身の業務を結びつけて考えるようになったのは、私も勉強会がきっかけになっています。昨年から導入したEWT※、コアタイムなしの完全フレックスタイム制という施策は、社員ひとり一人の柔軟な働き方を支えるという意味でSDGsに繋がっていくものだと考えています。
※EWT:Effective Working Time

石橋

みんなの話を聞いて、これまでの取り組みは無駄ではなかったと安心しています。私たちは企業人として当然SDGsに関わっているのですが、自分の仕事がどの目標と結びついているかを知ることで、仕事への意識や取り組みへの視点も変わります。今、そうしたSDGsをベースにしたアイディアがたくさん生まれています。こうした社員起点のアイディアを精査し、社会に貢献する事業へと育てていくことが次の目標です。
社員の働きがいに繋がる健康経営。

森永

当社は健康経営にも力を入れていますが、これも広い目で見ればSDGsですよね?

石橋

環境経営も健康経営も、ずいぶん以前から推し進めていることで、SDGsを意識して始めたものではありません。社員が気持ち良く働くことを重要視してきた文化は昔からあって、これはもうリコーグループのDNAと言えると思います。ただ、社員の働きがいを実現するという点では健康経営もSDGsの文脈で捉えていいかもしれませんね。

野口

当社は、経産省が進める健康経営優良法人認定制度で、特に優良な健康経営を実践している「2021ホワイト500」に認定されました。女性だけでなく男性社員も育児休暇取得率100%であったり、有給取得率80%以上という数字は、人事総務として社員に多様な働き方が定着している証だと思いますし、終業から次の始業まで11時間を空けなくてはいけないというインターバル制度やEWTも、社員の健康を守ると同時に「働きがい」にも繋がっていると感じます。

浅野

そうですね。私は朝が弱いのでEWTはとてもありがたいです。テレワークと組み合わせて、自分が最も効率的に働ける時間に集中して仕事ができます。

森永

私の場合は保育園の送り迎えかな。ワークライフバランスを充実できるので、とても働きやすい環境だと実感しています。社員の「働きがい」を実現するという点で、健康経営もSDGsの一環と捉えていいと私は思います。

石橋

リコーテクノロジーズは、先進の技術と革新的なプロセスを通じてオフィスの困りごとを解決してきました。オフィスとは企業だけではなく学校や病院、自治体なども含みます。オフィスの困りごとを解決することは、「働きがい」の向上にも繋がりますし、私たちが提供するソリューションによって生み出された時間を、お客様の本業に振り向けていただくことも可能です。SDGsの項目で言えば、病院や介護施設は「すべての人に健康と福祉を」、学校や塾なら「質の高い教育をみんなに」、ということに対してその分の力を入れていただける。SDGsを考えるということは、お客様のその先にいる人々のことまで考えて仕事に取り組むということです。それが一番重要なことですね。
未来は自分の手で切り拓く。

石橋

SDGsには世界をより良い方向に変えていこうという、未来に向けた人類の意志です。最後に、みなさんはこの変化をどのように考えているのか、そして未来をどうクリエイトしていきたいと考えているのかを、ぜひ聞かせていただきたいです。

浅野

SDGsを意識するようになって、自分のやるべきこと、使命というものが明確になってきたと思います。現在私は、実現すれば世界の常識が変わるほどのインパクトを秘めた製品の開発に携わっています。この大きなプロジェクトに参画できていることに大きなやりがいを感じていますし、ぜひ自分の手で未来を変えていきたいと思っています。

森永

SDGsの歴史は京都議定書に始まり、パリ協定を経て現在に至ります。京都議定書の頃は「ふーん」という感じでどこか他人ごとでしたが、SDGsを意識するようになってそれがようやく自分ごとになってきたと感じています。未来は人の手に任せるものではなく、自分で切り拓いていくもの。そうした気概で自分の仕事に取り組むことが大切だと思っています。

野口

人事という観点では、新型コロナという変化もチャンスと考えています。新しい働き方とは何かを考える、大きなきっかけになったからです。ここでどう動くか、何を目指すかで未来は変わっていくと思います。私自身もしっかりアンテナを張って社会動向や人々の意識の変化を見極め、多様化する価値観に応えられる施策を考えていきたいです。

石橋

ありがとうございます。みなさん、実に頼もしい意志表明でした。

※2021年12月1日に開催された当時のものです。